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納骨堂のメリットとデメリット
(概要)
「先祖代々の墓」という従来の概念にとらわれることがない納骨堂は、散骨や樹木葬などとともに、現代のライフスタイルに適したお墓のかたちとして注目を集めています。
今回は、納骨堂の運営母体や契約方法、メリットとデメリットなどについてご説明します。
(本文)
納骨堂とは
納骨堂とは、亡くなった方の遺骨を納めておくためのスペースのことです。個人、夫婦などさまざまな単位で遺骨を納めることができます。
納骨堂には、ロッカー式、墓石タイプ、位牌タイプ、仏壇タイプ、機械式、合祀型など、さまざまな種類があります。従来のお墓と納骨堂の最も大きな違いは、ご遺骨が土の中ではなく、骨壺の中に納めて保管されていることです。
納骨堂の運営母体は公営、民営、寺院があります。それぞれの特徴は以下の通りになります。
【公営の納骨堂】
公営の納骨堂は、都道府県や市町村など自治体が運営しています。そのため「○○県内に○年以上、居住していること」など、申し込みの条件が決められています。
民営の納骨堂より費用が安く、宗旨や宗派が問われることがないため、公営の納骨堂は人気が集中し、定員を超える申し込みがあった場合は抽選が行われます。
【民営の納骨堂】
民営の納骨堂は、宗教法人や財団法人、社団法人が運営しています。民営の納骨堂は、アクセスの良い場所にあることが特徴です。また、公営の納骨堂のような条件が取り決められていないことが多く、宗旨や宗派による制限もありません。
【寺院が運営する納骨堂】
寺院が運営する納骨堂は、寺院の敷地の中に建てられることが多いです。お寺にお墓を建てる場合は檀家になる必要があるのですが、納骨堂の場合はその必要がないことが特徴です。最近は寺院だけでなく、教会や神社が運営する納骨堂も登場しています。
納骨堂の契約
【契約管理が終わった後は合祀墓に入る契約】
遺骨は、永久に納骨堂に納められているわけではありません。遺骨を管理する契約期間が過ぎた後は、合祀墓に遺骨を移されることになり、そのタイミングは、三十三回忌や五十回忌などであることが多いです。
契約時に永代使用料と管理費が必要となりますが、合祀墓に遺骨を移した後は後継者に負担がかかることはありません。
【契約時に永代使用料のみを支払う契約】
納骨堂を契約する際、永代使用料のみを支払う契約も用意されています。契約時の支払いをおさえることができることがメリットですが、管理費が年5000円~2万円ほどかかり続けます。
納骨堂のメリットとは
それでは次は、納骨堂のメリットについて見ていきましょう。
【費用が安い】
納骨堂の一番のメリットとしては、何と言っても費用が安いことを挙げることができます。従来のお墓を建てる場合は、墓石代に永代使用料などもプラスされて、安くても50万円、場合によれば200万円程度の費用がかかるといわれています。
納骨堂は遺骨一人用の費用の相場は50万円前後とかなり安くおさえられています。ただし、家族用の納骨堂になりますと、100万円を超えることもあるので、契約前にしっかりと確認することをおすすめします。
【いつでも参拝できる】
納骨堂はお骨が屋内に納められているので、天候に左右されずいつでも参拝することができます。最近は、空調完備でバリアフリー、トイレや法要施設、会食スペースなども設けられており、24時間参拝できる、便利で快適な納骨堂も登場しています。
【檀家になる必要がない】
納骨堂にお骨を納める場合は、お寺の檀家になる必要はありません。また、納骨堂は宗派を問われることがない点も大きなメリットといえるでしょう。
【家族で代々使用できる】
納骨堂をお墓と同じように先祖代々受け継ぐこともできます。一代限りの納骨堂よりも費用はかかりますが、お墓を建てるよりは手軽な点がメリットです。
【永代供養】
納骨堂は永代供養が前提となっている場所がほとんどなので、仮にお墓を守り続けてくれる人がいなくても供養をしてもらえます。
子どもがいない夫婦や独身者も、納骨堂の管理者が永代にわたり遺骨を管理してくれるので安心です。永代供養を目的として納骨堂を利用する場合は、多くのお骨を一緒に供養する「合祀」という方法をとります。合祀であれば、費用を10万円程度におさえることができる場合もあります。
納骨堂のデメリットとは
【お墓参りが従来どおりではない】
通常のお墓には供え物の制限がないので、線香や故人が好きだったお花や食べ物、お酒などを自由に供えることができます。
ところが納骨堂は屋内にあるので火気厳禁。基本的に線香を供えることはできません。電気線香をお供えすることができる納骨堂もあるようですが、物足りなさを感じる参拝者も多いようです。お花やお酒などを供えるスペースを設けていない納骨堂が多いこともデメリットです。
【納骨堂が老朽化する】
納骨堂も老朽化しますので、いつか建て替えということになります。その場合、建て替え費用がどの程度請求されるのかどうかということも確認しておくようにしましょう。建て替え費用が莫大なものになり、多額の費用を請求されると、納骨堂に遺骨を納めておくこと自体が難しくなるかもしれません。
【遺骨がなくなるリスクがある】
日本は災害大国です。納骨堂も耐震性を考慮して建てられていますが、地震や台風、津波などに遭い、納骨堂が燃えたり水没したりすると、納められている遺骨が無くなる可能性も皆無ではありません。