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樹木葬の木の種類や埋葬方法の種類について
(概要)
自然葬の中でも、今注目を集めているのが樹木葬。樹木葬は1本の木をシンボルに遺骨を埋葬する新しい形態です。近年は土にかえって静かに眠りたいと願う方も増え、広がりを見せています。
樹木葬で用いられる樹木にもさまざまな種類があります。
(本文)
自然に抱かれて眠る…樹木葬のシンボルとなる植物について
樹木葬は1本の木をシンボルツリーとして、遺骨を樹木の下に埋葬するのが一般的です。
「そのシンボルとなるのは、いったいどんな木なんだろう?」と気になる方も多いと思います。
墓標とも言える木ですから、選ぶなら何がふさわしいのか?
生前に自分の希望を伝える意味でも、知っておきたい項目です。樹木葬にもいろいろな種類の木があります。
【桜】
春にやさしいピンクの花を咲かせる桜は、日本人が愛してやまない樹木です。桜の木の下で永遠の眠りにつきたいと願う方は多く、首都圏の樹木葬で最も多く利用されているのが桜です。
さらに桜の木にもさまざまな種類がありますが、ヤマザクラやサトザクラ、枝垂れサクラなどがよく用いられています。
多くの場合、開花が始まってから、わずか2週間ほどで花びらは散ってしまいますが、その一瞬の美しさとはかなさを好む方は多いようです。
花びらが散ったあとの葉桜も鮮やかで、新緑の季節によく合います。桜はシーズンを通して景観にふさわしい姿を見せながら、年ごとに成長し根付いていきます。
自分の人生を重ねたくなるような存在感のある佇まい。桜は樹木葬にぴったりだと言えるでしょう。
【ハナミズキ】
都市部などでも見かけることが多いハナミズキも、樹木葬のシンボルツリーとして人気があります。
ハナミズキは、明治時代に当時の東京市長がアメリカワシントン市の親日家たちに桜の苗木を送った返礼として、日本にやってきました。
自然に樹形が整う木であることから、街路樹や公園木のほか、個人の庭のシンボルツリー、景観木として広く利用されています。木は4~10メートルほどに成長する高木です。
春には明るい白や紅色の花が咲き、秋には赤く色づく実や紅葉も楽しめます。ハナミズキは1年を通じて魅力のある樹木です。
【ヤマツツジ】
日本で最初の樹木葬に用いられたのが、ヤマツツジと言われています。
ヤマツツジは、低い山地の日当たりのよい尾根や草原などに生育しています。半落葉低木なので、大きくなり過ぎる心配はありません。
野生のツツジは九州から北海道まで日本の広範囲に分布しており、多くの方に親しまれています。4~6月頃に朱色や赤色、紅紫や白色の花をつけます。
【バラ】
バラには非常に多くの種類があり、花色もさまざまです。
洋風のガーデニング型の樹木葬には、ツルバラなどの種類がよく使われています。美しいバラの中で安らかな永眠をと考える方、女性に人気があります。
樹木葬における遺骨の埋葬方法について
自然志向を軸に外柵や墓石を設けず、遺骨を土中に埋めて樹木を墓標とするのが樹木葬のやり方です。
墓地として許可を受けた区域につくる「樹木葬という形式のお墓」と考えるとわかりやすいと思います。
ただし埋葬方法には種類があります。立地や樹木の種類、また個人の希望などにもよりますが、大きく分けると3種類です。
【合祀型】
1本のシンボルツリーの下に、複数の方の遺骨と一緒にまとめて埋葬する方法です。
一般的には遺骨を粉骨して最初に埋葬するときから、他の方の遺骨とともに合祀されることになります。
毎年の管理費不要で、費用面では他の樹木葬より安くなります。ただし、遺骨の埋葬場所が具体的に特定できないという点を理解しておく必要があります。
お参りの時にも故人の遺骨の場所が明確だとは言えません。また、後々別の場所へ移したいと思っても、取り出すことは不可能と言えます。
合祀型の場合は特に、ご家族の間で意見の食い違いが生じやすいので、あらかじめしっかり話し合うことが必要でしょう。
【集合型】
集合型もシンボルとなる樹木を中心に、複数の方の遺骨を一緒に埋葬する方法です。
合祀型と違うのは、埋葬する場所の地下の区画を個別に分けて埋葬するため、遺骨の場所が比較的わかりやすいという点です。
また、一定の決められた期限がくると合葬墓に移すことが多いです。
【個別型】
個別型の樹木葬では1本のシンボルツリーを中心に、個人・夫婦・家族など、まとまった世帯ごとに遺骨の埋葬ができるよう、区画が分けられています。お参りも個別の区画なので、一般的なお墓と同様の感覚で行うことができます。
その分費用は、他の1種類より高くなりますが、樹木葬では墓石代や工事費が必要ないので普通のお墓を用意するよりかなり低予算に抑えられます。
埋葬の仕方や立地条件にもよりますが10~80万円程度。都市部では50万円くらいが平均的です。
樹木の代わりにプレート状の墓標の周辺に低木や草花を植えることもあります。
樹木の種類が故人の生前の希望通りであっても、実際に現地に足を運んでみると、想像と異なるように感じる場合があるかもしれません。
実際に目にしてみると、広大な土地のなかではほんの小さな木のように思えたり、樹木の種類が周囲の景観になじんでないように感じられたり、花は咲いたけれど思っていた色と違うといったケースもあります。
山の中での樹木葬では、日頃の管理によっては植えた樹木が枯れてしまうこともあるので、管理者側と確認しておくことがとても大事だと言えます。